
「はい、今月のお小遣いの5000円」と両親から手渡されていた学生の頃は、気楽なものでした。もらった金額が、そのまま自由に使えるお金だったからです。
でも、社会人1年目のみなさんはもう違います。お小遣い制度からは卒業し、自分で使うお金は、自分で決めなくてはなりません。

可処分所得ということばがあります。一般的には、毎月の給与から社会保険料や税金を引いた手取り額を指すようですが、私はそこからさらに水道光熱費や通信費、生命保険料、ローンや家賃の支払いなど、定期的に発生する支出を差し引いたものとしています。
まずは、可処分所得がどのくらいあるのか計算してみましょう。
収入 − 支出 = 可処分所得
自分で使えるお金(可処分所得)を把握することで、毎月どのくらい飲み会に参加できるのか、友人と食事を楽しんだり遊んだりできるのか、趣味にお金をかけられるかが見えてきます。
また、可処分所得の中から貯蓄もしていく必要があるので、先ほど書いたような支出は可処分所得の範囲に収めたいところです。
支出が収入を超えてしまうような生活を続けていると、当然いつか破綻します。そうならないためにも、支出をきちんと管理し、可処分所得の範囲で生活をしていくことが社会人として生きていくうえでの基本となります。
可処分所得の「使い方」をコントロールする
可処分所得が1万円あることと、1万円を好きに使っていいことには、大きな差があります。
「まえがき」で書いた私自身の失敗談と同様に、収入アップと並行して支出を増やしてしまうと、いつまでも「お金に困る状態」を続けることになります。
可処分所得以上のお金を使わないこと、さらに一歩進んで可処分所得を余らせる生活をしていくことを心がけてください。
自由に使える可処分所得が多ければ、お金に縛られない生活ができるというわけではないのです。自由に使える可処分所得の「使い方」をコントロールすることができてはじめて、お金に縛られない生活へ近づくことができるといえるのです。
自由な時間の使い方をコントロールできるのが真の社会人
お金の管理と時間の管理には共通点があります。無駄に使うとあっという間になくなることを肝に銘じましょう。